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日本の年金制度はもう破綻しているのではないのか ~お粗末極まる再委託事件~

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 日本年金機構が約500万人分の受給者のデータ入力を委託した東京都豊島区の情報処理業の会社が本来なら禁止されているはずのほか業者への再委託を行っていたことが明るみになった。しかもその業者が中国の業者で、遅れやミスがあったというから始末が悪い。
2月の年金受給額が本来もらうべき額より少ない人が130万人もでた問題を調査する過程で分かったこの問題、よく考えてみても日本年金機構という組織の体質、考え方がどこか大事なねじが外れているのではないかという疑いを拭い去れない。

今回は、扶養控除申告書に記入された扶養家族、これは毎年変わるから入力しなおさないといけないのだろうと思うが、これを業者に委託業務として外注するにあたって、入札制度にするまではよかったが、一番安い価格で落札した業者に「ホイ!」と委託して十分にその能力があるのかどうなのか見極めなかったことが原因だ。

いろんな情報から伝え聞くところによればどうやら従業員数が80人くらいしかいないのに、500万人分のこのデータ入力を請け負ったという。

無茶苦茶な話だ。

日本年金機構の担当者はこのことを知ってか知らずか、っていうか知ってて業者の責任だからと知らん顔をするつもりだったのだろうか?。

でたらめな仕事ぶりである。㈱SAY企画は言うに及ばず、元国税庁長官の佐川さんじゃなくて、日本年金機構の業者委託や入札に携わった担当者、出てこい!。である。

その日本年金機構、2015年には年金積立金運用で9兆円の損を出し、ちょっとニュースになったのを覚えているだろうか。

9兆円っていうと3%時代の消費税の税収の総額くらいである。こうして損したり、得したりしながらトータルプラスにもっていったらよいというのはわかるが、扱う損益の規模が大きすぎて失敗したときの人間の責任をうんぬん言うレベルではもはやなくなっているといえる。運用損失は干ばつや水害などあたかも天災に遭ったのように済ます。なんてったって世界最大の機関投資家といわれているから、もう誰も文句を言えない。投資や運用のことはよくわからないけど、働けなくなった後、年金をもらうのをあてにしいている普通の人にはうかがい知れないことだ。大丈夫かどうかなんて年金をもらう人には当然わからん。

「しょうがないね」ですまして、その前は消えた年金問題で社会保険庁を解体しているわけで、この人たち全く凝りてない。普通の企業だったらどうなっているだろうか?。日本年金機構の人たちだって将来年金をもらうんだろうにもっとまじめにやってもらわんとこまる。

こういうのを「無責任」というのだ。

我々サラリーマンとその会社がどんだけ大変な思いをして社会保険料を納めているかということを考えると到底許されるものではないはずだ。

給与所得者のほとんどは給料から天引きされる形で医療保険と厚生年金、それと40歳以上(介護保険の2号被保険者)は介護保険料を支払っている。これが天引きされているから若い人など自分で支払っている感覚がほとんどないのが「みそ」なのだが、ここでちょっと復習してみよう。

皆さんの給与からはこの表をもとに引かれる額が決められている。健康保険料が少しづつ違うため、都道府県別に表が用意されている。

平成29年9月分(10月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)

この表は健康保険は3月に厚生年金は9月に改訂がなされ、新しい表が発表される。改訂とは、「上がっていっている」ということである。その上がり幅はたぶん、皆さんの毎年の昇給幅より大きい場合がある。しかも昇給すれば標準報酬月額の閾値を超えれば社会保険料は1段上がるので、給料上がったのに前より手取りが減ったという笑えない話も発生することがあるのだ。健康保険、介護保険、厚生年金合わせた額と標準報酬月額の割合は現在のところ14.5%ほどとなる。通勤手当や残業代までまで含めた総支給が3か月平均30万円の人の場合、4万3千円もが、福沢諭吉の尊顔を拝むことなく給料から引かれることとなっているのである。しかもその率は毎年順調に上がることが決まっている。4万3千円つかえるお金があれば、あなたは何をするだろうか。

消費税が10%に上がるか上がらないかで踏み切れていない中、こちらはもう決まってますからと、だれも何も議論せず事務的に上がり続けるのだ。

ところで、所得税というのはこの社会保険料を払った後の給与の残りからさらに必要経費と認められている68万円を引いた額に課税されるからそれほどたくさんにはならない。扶養家族が多い人になると全く払わなくて済む場合もある。年末調整をしたときに戻ってくるお金があるから誰も文句を言わないと思う。所得税はたいして圧迫要因にはならない。

圧迫しているのは社会保険料。社会保険料は扶養家族の多い少ないに関係なく同率であるし、厚生年金には事情に応じて軽減する仕組みがない。この、社会保険料が給与の手取りを毎年少なくし、消費を圧迫しているから景気が上がらい一因になっているのだが、だれもこのことは指摘しないだろう。残業や諸手当、通勤手当まで全部含めた総支給から自動的に14.5%天引きされた残りから各種支払いを行う。この率が毎年上がる。給料が上がらない中、我々はいったいどうやって節約するかを考えざるを得ない。

これでは、消費税を上げることなどできないと思う。
かといって、社会保険料は下げられない。
これはもうどうしようもなくなっているのではないか。

だからもう限界が近づいているのである。

これから75歳以上の人口は2025年でこれまでのピークを迎える。
少ない人数で高齢者を支えなくてはならないのは誰もが理解するところ。

厚生労働省は税と社会保障の一体改革の中でこう言っている

「2004年の改革よりGDP比での年金給付は一定水準、現行の制度は破綻していない」

「現行の制度は破綻していない」などということを広報業務としてわざわざアナウンスしなければならないほどひっ迫しているということだと解釈できますがな。

社会保険料で高齢者を支える仕組みは高度成長期に考え出されたシステムであり、少子高齢化になるともうこの仕組みは通用しなくなってきているのは明らか。何か新しい仕組みを考えなくてはどうしようもなくなっている。高齢者を支えるために国民の可処分所得が減っていくという今の仕組みはいずれ限界が来るのは明らかだ。 所得税、消費税、法人税のバランスを考え直して、社会保険料も同時に見直すことも現在進めている税と社会保障の一体改革に加えて必要になってくることだろう。
景気をよくするためのアベノミクスも行き詰まりを見せているようだが、ここらで発想の転換をしてかじを切らないと大変なことになるだろう。

「取りやすいところから取る。」といった考え方がどうしてもあると思う。そうではなくて景気を良くして総生産額を増やしたうえで増税しようというのが王道であり「アベノミクス」だったはず。それならば安倍さんがにやにやしながらいろんな社長にお願いして回っている「賃金を上げてよ」というのもそうだけど、「社会保険料を段階的に減らしてよ」というお願いをした方がよい。社会保険料が減れば企業収益と国民所得は上がって可処分所得も上がり消費は増えると思う。だが諸影響を考えると今はできないだろう。日本年金機構の職員やエライ人たちは、ぽいぽい仕事を変な会社に外注して遊んでる間に少しでも真面目に日本の将来のこと考えているのだろうか。社会保険料を払えなくなった企業、社会的貧困に陥り国民年金を払えなくなった個人、増えてるんではないだろうか。その取り立てに追われて忙しいし、そんなことなど考えていないだろう。

そのような現状の中での、此度の日本年金機構の為体(ていたらく)。

黙って許せという方が無理である。みんなで、きちんと安心して年が取れる社会が作れるように日本年金機構を監視しよう!。

 

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