「珈琲と人」未就学児お断り事件に一言申し上げたい。

業種は違うが、こういう店もある。

 

■古民家カフェが「子連れ入店禁止」措置でネット炎上

岡山県の総社市にある古民家カフェ「珈琲と人」の件で現在ネットがにぎわっているのをご存じだろうか。

この店が、幼児連れのママ友グループの客に複数回にわたり障子を破られ、これが悪いことに謝罪なく店を出ていかれたため、悩んだあげく、破かれた障子の写真を公開し当面の間、開店から17時まで「0歳児を除く未就学児連れのお客様の入店をお断り」したのである。「珈琲と人」のツイッターでは、すでに1万回以上(関係のほかのツイートも合わせるともっと多い)がリツイートされている。

■これは炎上というよりは賛成意見であふれかえる現象

さもあらん、という感じでさほど問題にならないような事案のように思うが、ネット民の反応は炎上の一歩手前までいっている。ふつうこの手の炎上といえば反対や非難意見が殺到するものだけれどもこの場合は違う。お店の措置に賛同するものであふれかえったのだ。

そのような意見かというと、まとめるとこんな感じ。

この店の措置に賛同する。子どもをしつけられない親が悪い。
バカ親が多くなったもんで困る
子どもがうるさい店で食事したくない。
障子を破っておいて謝らずに出ていくなど最低

さらに意外なことに、子持ちの方からも「静かな環境で食事やコーヒーを楽しめる場所であってほしいから」「自分たちは子連れの時は店を選ぶ」などと賛成意見が出ていた。

そんなこんなで、店の措置に同調する意見でいっぱいになっている。

「珈琲と人」の情報をネットで調べると、どうやら最初はどちらかというと子連れ歓迎のお店で、料理のメニューも子どもの好きなオムライスのメニューが豊富にそろえるなどしていたことがうかがえ、決して、幼児やその親、子育て世代に対する無理解に基づく措置ではないことがわかる。だからこそママ友グループが繰り返し来たのだろう。

お店の子連れ入店禁止に同調し、しつけのできない親への非難を繰り返すネット民。もちろんわが子が障子を破いておきながら謝らずに店を出た人が非難されるべきなのは言うまでもない。

でもこの一件、なんかひっかるのである。

■攻撃対象はだれ?

通常こういったケースの炎上の場合、誰かが集中的に攻撃される。今回の攻撃対象はもちろん「障子を破ったのに黙って店を出て行った子どもの親」だ。

でも、この親がまず誰だかわからないしツイッターを読んでいるとは限らない。
同調意見の人たちだけで盛り上がるため反対の意見がでたとしても直ちには徹底的に排斥され、もう同じような意見の人しか耳を貸さない。反論しても聞こえないという状態になる。元来人間は自分に都合の良い意見しか聞かないものだ。

つまりひとつの「空気」ができている。どんな空気かというと

「子育てしてる親は、子どもが悪いことして人に迷惑かけても謝らないようなバカ親が多い」から「子育て中の親を排斥してやろう」

という空気がこの狭いネット空間だけど芽生える。

これがもし公の世間に受け入れられ賛同されるなら「子育て中の親は○○には来るな。」というメッセージは正しい措置として世間に受け入れられて当たり前になっていくという方向性である。大げさだけど究極は、「子育て中の親はどこへも行くな」となるのではないか。

■ネットは弱者排斥の片棒を担ぐのか

子育て中の親だけならまだよいが、社会的弱者、例えば寝たきりのお年寄りとか身体に障害をお持ちの方だとか「静かに過ごしたい人の邪魔になるから」という理由だけで攻撃されてよいわけがない。

子育ては大変である。保育園にはすぐ入れないし仕事もままならない。睡眠時間だって削られるし経済的にも危うくなりかねない。いろんな理由で両親のどちらかがいない、あるいは両方いない子どももいる。行動を制約された「社会的弱者」なのである。
子育てをさらに大変にしているのはこのたびの「珈琲と人」事件のネット民の書き込みのような、周囲の無理解に基づく心無い一言。これは子育てしていない人には決してわからないだろう。

■子どもは親のみが育てるにあらず

子どもは親の所有物ではなく、家庭だけで育つものではない。ましてやすべての親が完璧な人間であるわけがない。社会を構成する人間を育ててるんだから、親のみの責任ではなく、学校、地域社会と連携をとって健全に育成するべきもの。現にPTAとか町内会など社会はそういう体制になってるんだけど、関心を示す人少ないなあ。
自分の立場のみを優先し他人に責任を押し付け攻撃対象にする人の多いことが嘆かわしいと、今回の「珈琲と人」事件で思った次第。

子どもは育ってる途中だからいろいろあるよ。
みんなで温かく見守ろうや。

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