はれのひ株式会社騒動に学ぼう~経営者の過ちをただすのは誰の役目?~

■ はれのひ株式会社騒動

成人式の日に振袖の着付けを予約していた客を何の連絡もなく無視して逃走した晴れの日株式会社が破産手続き開始の決定をとることとなり、昨日記者会見を行った。

負債総額は約6.35億円、債権者おおよそ1,600人のうち1,300人は顧客だというからさらに始末が悪い。資本金150万円、純資産2億9500万円、従業員49人とむしろ零細企業といってもいいくらいの規模でありながら、一般顧客にかけた迷惑度がいまだ聞いたことのないほどのインパクトであり、社会的影響が大きいため取り上げられ方が大きくなった。

この、篠崎洋一郎という社長は昭和37年生まれ。地元定時制高校を卒業後、呉服屋に就職しそこで学んだ知識を基に呉服販売業向けのコンサルティング事業を営み、どのコンサルティング先も飛躍手に売り上げを伸ばすなどの実績を上げ成功したという。この成功体験が2011年の「はれのひ株式会社」設立につながった。「女性の美に貢献する高品質なサービスで、世の中に新しい価値を。」というのが会社の理念になっている。女性の感性を生かした経営が売りで、全社員女性の会社だそうである。女性活躍できるすごい会社だ。一億総活躍社会にもかなっているじゃないか。しかし、ワンマン経営だっただろうなあ。これじゃ誤りを正せる人いなかったんじゃないのかなあ?。

■ 失敗に学ぼう

さて、どうして今回の事態に至ったのか、想像の域を出ないが様々な情報がどんどん出ている状況で勝手なことを書こうと思う。

篠崎洋一郎社長は、コンサルタント時代に教えていた手法が顧客に直接電話で営業をかける「テレアポ」だったという。実際これで相当な売上向上があったというから相当うまかったに違いない。今自分時代遅れの営業方法のようにも思えるが営業の基本だともいえる電話営業を徹底的に磨く手法で成功したともいえる。そこはすごいなと思う。

ところで昭和37年生まれといえば、バブル時代に20代後半を過ごしていたはずで「いけいけどんどん」方式で成功体験をしてきた世代ではないか。ありがちなのが過去の成功体験にこだわって失敗するタイプだ。おそらく自分の力量を過信していたのだと思う。
おそらく売り上げ至上主義で、売り上げさえ上げればなにやってもよしという、損益計算書はぱっとみて、キャッシュフローなんて見たことないというタイプの人だったのではないか。
最後の方は取引先や銀行から求められてうそと希望的観測でで塗り固められた資金繰り表を何枚もプリントしていただろう。人材の募集広告もいい加減なことが書いてあったというからその辺かなりいい加減な経営管理だったことが想像できる。経営コンサルタントが自分の会社をつぶすんだから笑える。でも実際珍しい話じゃないよね。

■ 自分の至らなさを知ることが大事

新規事業は誰もやったことがないことを新たに開拓する開拓者の仕事だ。これまでの成功体験はいったん捨てて、慎重にかかることが肝要だと思う。参考にしなきゃならないのは過去に歩いた道の記憶ではなく、地図だ。
50代後半から60代前半の経営者に多いのが、過去の成功体験を自慢げに語る人たち。こういう経営者に今成功している人はあんまりいない。

肝心なのはこういうおかしなことが始まったときに早くこれを止める人たちの存在だ。側近か右腕と呼ばれる人たちなんだろうけど経営トップをうまく操縦できるこうした人たちの存在が重要になってくる。「はれのひ」にはいなかったんだろうね。

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