国際的な競争力を上げるべく労働生産性を上げる「働き方改革」が国を挙げて進んでいる最中である。
ところが、主に残業時間と残業手当が減らされる方向に強力に進んでいるように見受けられ、サラリーマンの収入は減っていき単位時間当たりの仕事量は増やされる。
まさに「働かせ方改革」。統計数値で見れば、労働時間が減るから売上が変わらなければきっと生産性は上がる。
でも賃金は残業が減った分、減る。
日本経済はこれでよくなるというのか。
アベノミクスでんでんの成果噺はもうよい。うそつかんでくれ。実感がない。
ずっと気になっていたことがある。
小さいころ学校で教わってきたこと、”真面目に働けば報われる”ということが、成り立たなくなってきたことである。
ちょっと前までは、真面目に学校を出てちゃんとしたところに就職すれば一応生活をることができた。こういうスタイルをだれも信じて疑わなかった。ところが、この頃はそうもいかなくなってきている。
いわゆる夫婦と子供二人の普通の家族はまだよい。母子家庭、父子家庭、要介護者を抱える、子供が3人以上いる、などの方々は、元気で働けたとしても、よほど工夫とやりくり上手でなければ生活が成り立ちにくいと思われる。平均賃金もらってたって足りないのだ。それも年を経るにつれてだんだんひどくなってる。
住宅着工件数は重要な経済指標であるが伸び悩んでおり最盛期には程遠い現状である。
http://www.mlit.go.jp/common/001133591.xlsx(平成29年度 住宅経済関連データ)
(【発表ページ:平成29年 国民生活基礎調査の概況】)。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-21.html
いまや「生活に苦しさを覚える人は5割強」。20年前までは3割強にとどまっていた。 2人に1人以上は「生活苦」が当てはまる現状なのだ。
このことがまず一点。
「最低賃金」という言葉を意識することが多くなった。これ以上低い賃金で働かせてはならないという国の決まりだ。日本では都道府県ごとに定められている。
日本で最も高い賃金は東京都の985円(平成30年10月1日)最も低いのは鹿児島県761円(平成30年10月1日)。
ちなみに、この鹿児島県で最低賃金で一日8時間週40時間働けば、月に22日働いて133,936円となる。社会保険料が6,774円 扶養家族がいなければ、所得税は2,460円 手取りは124,702円
一人暮らしの人が、鹿児島の市街地のワンルームに住むと6万円くらい。残り64,702円。
水道光熱費、8,000円くらい。携帯電話が”何とかほーだい”とかでたまに使いすぎて9,000円くらいになる。うっかりすると
自由に使えるのは 47,702円
ほどしかない。
一日あたり1,500円
ほどで被服費と食費を賄わなければならない。
これではうっかり風邪もひけない。
貯蓄などもちろんできないし、資格取得などの自分への投資ももちろんできないから、より賃金の高い職へのステップアップもできないで、ずっとこのままであり、
こうして「貧困の装置化」がなされる。
この状態で、子供がいる人もいる。母子家庭の手当が毎月41,720円出るが、子供がいるのにこのようにフルタイムで働ける環境の職場は少なく、労働時間は短くなってもらう賃金が少なくなるから、ほとんどの人は苦しい思いをして、実家などに頼っている。その実家もご両親すでになく頼るところもない人もいるのだ。
さて、オーストラリアなどでは、最低賃金が
時給$18.93 (2018年7月1日現在)
なのだという。日本円に直せば
時給1,481円(2018年12月22日の為替相場)。
鹿児島の2倍弱じゃねえか。しかもこれ最低賃金だよ?。ほとんどの職場はこれより高額だってことだよね。
もちろん物価とか税率とかそうなのも関係しているから一概にどちらが豊かかなどどいえないけれども、このままでは「海外から外国人労働者を」などと言っている場合ではなくてその逆の現象が起こるんじゃないか。オーストラリアに出稼ぎに行こうかね。
もうすぐ来年、2019年が来る。2019年は10月に消費税が8%から10%になることが決まっている。2ポイント上げるなら、賃金も2ポイント上げないと、こりゃあ日本の経済決定的にダメダメになるのではないか。
インターネット完全に普及して、現金取引が消え去ろうとしている今、大きく世の中は変わろうとしている。お金の流れ方は変わってるんだ。ほとんどの時間を他人に雇われて安い賃金で過ごしてていいのか。
日本のサラリーマンは、いい加減目を覚まして、新しい将来を見通して行動を起こさねば、未来はないぞ。
政府には、せめて、最低水準でつつましく暮らしていても、将来が見通せるような世の中になってもらいたい。
新しい元号は、なんかそういう単語が良いなあ。
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