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IR実施法成立 ~統合リゾートは縮小していく日本のカンフル剤になるか~

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 西日本で豪雨災害が起こり対応に追われているさなか、世間を騒がせて来ていた、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法が成立したとのニュース。いろいろな意見や思いが交錯した週末であった。

200人以上の死者を出した大災害のさなか、カジノを奨励する法案をごり押しで通すとは何事かということで、内閣不信任案も提出されるも否決。日本人はギャンブルに弱い人が多く依存症も多いとかで心配や対策を求める声も多かった。
そんななかでもIRの計画は2002年の着想以来、着々と進みオリンピック後の経済を下支えする一つの大きな流れとなることを目指している。

反対意見の内容は次のようなものだ。

・ギャンブル依存症の増加
・治安悪化の懸念
・マネーロンダリングに使われる
・そもそもカジノのイメージが悪い

カジノって、お金持ちが集まってきてたくさんお金を使ってくれるからよいよね、というのが動機なのだろうけど、お金持ちにもいろいろあって、犯罪で得たお金、もしくはテロリストの資金源とかそういうものになってしまう可能性はないのかということが心配になる。海外でも実例はあり、この懸念に対し明確な答えを出している人はまだいないのではないか。小手先の対策はいろいろ考えられているようではあるが。日本人はギャンブル依存症になりやすいとのことで日本人の入場制限も考えられているとか。

まあ、カジノは一般庶民にはあんまり縁のないところになりそうだ。周辺のショッピングモールや遊園地で遊んで帰る程度のこととなるだろう。

世界中の富がごくわずかの富裕層に集中しているといわれているから、その富裕層のお金を思いっきり日本で使ってもらおうというのは、発想としては悪くない。誘致に手を上げる各自治体の皮算用も、いろいろ出ているようだ。大阪府などではIRによる税収効果を2500億円とみている。たしかに小さくはない。

このブログでも何回も書いているが、日本は今後労働人口が減って高齢者が増える。ということは、税収は減り、公共サービスが後退していくことが見込まれている。どうにかしようにもあどうしようもなくなる局面に来ているとき。消費税を上げても起死回生の策にはならない。こんななかで日本の「稼ぐ力」を励起する戦略の一つとして期待されるこの法案。安全対策をしっかりと取って稼げるもんなら思い切り稼いで、安心できる日本を作ってほしいものだ。

そもそも庶民にとっては生きていること自体がギャンブルに等しいともいえるしね。
やるしかないかもね。

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