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西日本豪雨災害の教訓を生かすためには ~地域のつながりが薄れていく中で~

投稿日:2018年7月14日 更新日:

    九州北部から、中国・四国、岐阜に至るまでの広い地域で甚大な被害をもたらした今回の豪雨災害。総務省消防庁の発表によると(13日午後4時15分現在)全国で2万6千棟を超える家屋被害、死者203名、行方不明者47名という前例を見ない惨状となってしまった。この被害の数値も明日にはまた書き換わるだろう。まだ全容は明らかになっていないそうである。

残念でならなかったのは、自宅で一人で亡くなってしまった方々のニュースだ。足が悪くて外への避難はおろか、2階に上がることすらできなかった。家族の方も助けに行こうにも行けなかった。こうした方が、39人もおられたとの報道もある。

ご自宅で水死とは、まったく言葉が出ない。痛ましい限りである。

避難勧告に際して、こうして避難すらできない方たちがおられる。この、一人で避難できない人たちはだれが助けるべきだったのだろうか。

家族が不在、あるいは一緒に住んでいない、近所の人も勤めに出ていれば、こういう時に誰も助けに行けなくなる。こういった事態に、我々は無責任にも対処できていないような気がする。

こういうときに消防だけではすべての人を救助するのは不可能だ。消防庁は地域で自主防災組織を作ることを奨励し詳細な手引書も公開している。

https://selectra.jp/sites/selectra.jp/files/pdf/bousai_2904.pdf
「自主防災組織の手引き」(消防庁)

自主防災組織は、自治会や公民館、町内会を母体として作られることが多く、相次ぐ大震災などの影響でその数は年々増えていて全国で16万団体(平成28年度)あるという。

かねてから、避難誘導、救護、情報収集、給食などの役割分担を決め、人を組織化しておき定期的に訓練を行っておく。どこにどんな人が住んでいて誰が安否確認をするか、それも決めておくというのが一般的だ。

全国の自治会や公民館、町内会組織は29万ほどあるというから50%超の組織率といったところであろうか、でもまだまだ多いとは言えないだろう。

しかしながら、こうした自主防災組織も、いざというときに集合して組織的に活動できなければ意味がない。みんな勤めがあるはずで、こうした個人の地域人としての役割を果たすには、勤務先のその人の役割を十分に認識して、大雨が降ってきて危険な状況が予想されるときには、こうした役割持つ従業員は早く帰宅させるなど、就業上柔軟に対応すべきなのだが、企業はそこまで気が利いているのだろうか。

従業員の地域活動について、どれほど気を配っているかは、防災上の問題でもありうるのだ。

自主防災組織を作り上げるのはまず第一として、こうした防災上の「働き方改革」という視点も大事なのではないかと考える。

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