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社会保障費削減の方法が・・・・~寝たきり予備軍を減らそう~

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■ 診療報酬削減にはだれも反対できない

日本の社会保障費支出を計画的に減らさなければ、日本はやがて破綻に向かうようなとんでもない事態であることは前にも書いた。財政改革で一番損をするのは誰か?~社会保障費が減らされる!~)

来年春の診療報酬改定では、高齢者で何らかの疾病を抱えるなど長期療養を必要とする方々のケアに関する報酬がまた見直される。要約すれば、

「これまでのように医療費は出せないから、寝たきりの病床はできればなくなる方向でおねがいします。なるべくなら家に帰るか、施設に入ってくださいね。自立できるよう支援するような診療に関してはお金出してもいいよ。」

ということである。

国が出すお金で病院は儲かりすぎないようにしなさいねと。

医療保険制度のなかでいろいろな工夫をして生き残ってきた病院やクリニックも、これまでのやり方は通用しなくなった。もう、これから病院はM&Aを繰り返して大きくなりスケールメリットを出すしかないだろうと言われ始めている。

■ 薬価は毎年下げられる。

来年度の診療報酬改定だけでなく毎年ほぼ問答無用で減らされるのが薬の値段だ。
薬剤費は毎年9兆円規模で膨張を続けており財政を圧迫する大きな要因となっている事情がある。薬を使う人が増えているのと、新薬や医療技術の発達が原因だ。

整形外科などで処方される湿布薬にも枚数制限が付いている。慢性的に足腰の痛む人が何か月分もの量をまとめて出してもらう例が多いからだという。湿布薬の年間総額が聞けば吹き出してしまうくらいの驚くべき額になるというので制限がかかった。

そう考えるとなんだか無駄が多いのではないかと思われるから、毎年少しづつ減らす。やむを得ないかもしれないが、外国からの新薬開発関係筋が日本の現状に懸念を示し投資が鈍るなどの影響が出始めている。

■ でも医師の報酬はあがる。

しかし、薬価が下げられ余裕ができた分の一部を使って全体で上がらないように医師の人件費に相当する部分は上げられる。医療費の削減で医療業界全体の収益力は確実に落ちてきている。上がってきている一部医療機関もあるが、スケールメリットを生かした近代経営をする大手医療法人だけだ。公立病院などは大赤字が当たり前である。 こうしたことから全体を見ると医療業界の収益力は下がっているとして、今年も医師の人件費部分は上げられる見通しとなった。

■ 日本医師会と自民党

ところで、自民党の業界支持団体の代表格は日本医師会。かつては「医療費の増額にしか興味ない圧力団体」というイメージがつきまとった日本医師会だが、政府自民党の協調体制万全なようである。すすんで、医療費削減に協力する体制を取り患者様への啓発広報活動も進んで行っているようだ。

医療も人が行うビジネスだから食っていかなければならない。雇用創出の効果も大変に大きい。だから、医療費削減と医療業界の規模の維持は両方大事にせねばならない。
社会保障費の削減に協力していく体制がなければ日本は破綻してしまう。今のこの動きは歓迎すべき。

■ 予防にお金をかけられるように

健康保険は病気にならないと原則支出されない。現在では特定健康診断など疾病状態でなくとも生活習慣病予防に対しても支出されているが年に一回ということや検診内容も限定されており、どの程度効果があるのかということについてはまだ計測されていない。乳がん検診が普及した結果、患者が増えたと思われるふしさえあるから皮肉な話だ。

たとえば、通常の年一回の健康診断で血液検査の結果や腹囲測定で生活習慣病予備軍と分かればその時点からそれを改善するような働きかけに対して支出するべきではないだろうか。

なぜなら現在は本人に告知してそれで終わりになっているからである。

メタボは自己責任で解消してくださいというわけだ。

わからないでもないが、仕事上動くことが少なく運動不足になっていたり、不規則な生活によって健康状態が悪くなっている人、自己責任で生活習慣を改善するのが困難な人も多いはずだ。これらの人たちに対し必要最小限の運動指導、栄養指導を行い目標を定めて結果が出るまで面倒を看るべきではと思う。

現代の経済社会環境は脳梗塞、糖尿病、慢性腎不全の患者などを生産していっているともいえる。これらは本人の自己責任で済ましても解決しないだろう。社会保障費を増大させる医療療養病床の患者たちをこれ以上増やさないためには必要な措置ではないだろうか。

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