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日本の高齢化対策はこれでうまくいくのか~縦割りの2つの政策にみえる欺瞞~

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このブログでは、たびたび社会保障費削減に関する記事を書いてきた。
現在日本が推進しようとしている2つの政策についてやろうとしていることは同じでも出発点が真逆という、まさに考え方の根本的誤り、国民に対する欺瞞とも思える点が見つかったので指摘しておきたい。同じ目的の2つの政策とは次の通り。

1.地域包括ケアシステムの推進(厚生労働省)www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/

2.日本版CCRCの推進(内閣官房 地方創生本部)http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/about/ccrc/

■ 地域包括ケアシステムとは
簡単に言うと「高齢者を地域で見守る」システムを構築していきましょう。そのためには医療機関・介護施設・地域のコミュニティ・行政が連携し、病院で寝たきり、家で孤独死などを減らしていき、誰もが住み慣れた地域で最期を安心して迎えられるようにしましょうね、ということ。団塊の世代の大多数が後期高齢者になる2025年問題に対応するねらい。

■ 日本版CCRCとは
CCRCとは「Continuing Care Retirement Community」の略。直訳すると「継続的なケア付きの高齢者たちの共同体」。アメリカに結構古くからある概念らしい。簡単に言うと東京圏をはじめとする地域の高齢者が、希望に応じ地方や「まちなか」に移り住み、多世代と交流しながら健康でアクティブな生活を送り、必要に応じて医療・介護を受けることができるような地域づくりをしていきますよ、ということ。東京をはじめとする大都市圏の高齢者に対し土地も人材も決定的に不足する中、なんとかしようというねらい。

■ どちらもよさげに見えるが・・・・
皆さんお気づきだろうか。この2つの政策は正反対のことを言っておりながらやることは一緒なのである。
地域包括ケアシステムは「高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、・・・」といい、地域に住み続けることをベースにいろんなことを考えていくやりかた。 日本版CCRCは「東京圏をはじめとする高齢者が、自らの希望に応じて 地方に移り住み、地域社会において健康でアクティブな生活を送るとともに、医療 介護が必要な時には継続的なケアを受けることができるような地域づくり」という、首都圏から地方への移住を促進するやりかただ。

「高齢者が地域に住み続けるようにする政策」と「高齢者の移住を促進する政策」

どちらも高齢者のための政策であり、「継続的なケア」という面では一致しているのに住まいのことで正反対のことをいう。なんだろうこれ。

■ 実は切羽詰まってしゃにむに進めようとしている
厚生労働省の本当の狙いは、「社会保障費の削減」であることは明らかである。2025年に団塊の世代が75歳以上になったとき、医療費と介護費がとんでもないことになるのは明らかで、今のうちに極力少なくて済むようにしなければならないから、なるべくなら自宅で介護をお願いしますというのが本音だ。長年寝たきりのお年寄りを入院させて収益を得ていた小さな病院は閉鎖するか合併するかしか道はなくなるだろう。医療ビッグバンがもう起こっているというのは以前にも書いた。

内閣官房の「日本版CCRC構想」は「生涯活躍のまち構想」と名前を変えて、12月11日、最近今年最後の最終報告を終えている。様々な美辞麗句がおどるそのパワーポイントの報告書にはどうにも、不動産デベロッパーが血相変えて喜びそうな再開発話に見えてしょうがない。しかしもう東京で今後大量にでてくる高齢者は面倒みられないのであって、劣化した大都市の「高齢難民」が発生しないようにこちらもしゃにむに事業者の動機づけをしているところなのだろう。

■ 事業の結果は始まりの考え方によって変わってくる
日本は高齢化は急速に進行するのは決定している。これに対する中核をなす政策が上記2つの政策だ。しかし、どちらの政策でも言っているように

「人間らしく尊厳を保ってその人らしく最期を迎える。」

ことができるようにするには、それに携わる人たちの「志」が大事だと思う。常に「志」を念頭に置いて仕事をすること。そうでなければ結果は必ずおかしなものになる。神戸製鋼や日産自動車の不正問題は記憶に新しい。日本の製造業もだいぶ劣化したと思うが、経済のグローバル化に原因を求める前に最終的に”使う人のことを考えて物を作ってきたのか”どうか自問自答してもらいたい。

日本の高齢化対策は財政が切羽詰まっているからと言って官主導で付け焼き刃的に事業を進めてなるべく民間事業者に責任押し付けてというお役所的な仕事をしてると悲惨な結果を招くだろう。誰でも最後は高齢者になるのだから真剣に自分のこととして仕事をしてほしいものだ。

今の2つの発想は「姥捨て山」的発想であることを非難されてもしかたがない面があると言わざるを得ない。それが「同一目的2政策の相反する2つのコンセプト」という縦割り行政の変な形で現れているのだろう。

2025年が心配でならない。

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